漁師
漁師がキセルを咥え岩の上でくつろいでいる元絵をオマージュしたのですが、この元絵にまつわる面白い説がいくつかあります。
その中の一つが、この絵は葛飾北斎と応為親子の共作ではないかという説です。
応為は一度、北斎の絵師仲間の家に嫁ぎましたが、離縁されて戻ってきました。
その時に親子共々気持ちを改めて出直す気持ちの意味で描かれたモノではないかとの解釈がされています。
応為はどうやら、顎が出ている所謂”しゃくれ顔”だったようで、そこそこ裕福な婚家から質素な北斎の家に出戻った皮肉も込めて、みすぼらしい、しゃくれ顔の漁師という表現で現状を揶揄したのではないかとの説が有力のようです。
失敬な話ですが、そんな仄暗い現状を隠すことなく錦絵にしてしまうあたり、とことん浮世離れした浮世絵師父娘だと感心してしまいます。
hanaさんは女の子なのでキセルは似合わないと思い却下しましたが、何となく応為のしゃくれ顔の部分は残しておきたくて、hanaさんもしゃくれさせてみました。
しゃくれ顔のクマは意外に愛嬌良く仕上がったと思います。
この元絵は東京都墨田区が所蔵しているとのことなので嬉しい限りです。
絵師である私の母方祖父が漁師である親近感があり構図が可愛らしくtoricoroll webshopのバナーに仕立てました。
何となくしっくりとくるお気に入りの作品です。