富嶽大波
凶暴なほどに荒れ狂う大波、それにもまれるように進む三艘の船、そのうねりから富士山を垣間見る。
あまりにも有名なこの元絵は、単なる浮世絵作品と言うより、日本の象徴、宝と言っても過言ではありません。
絵師である北斎の奇才っぷりは言わずもがな・・・ですが、版板を掘る堀師や色を入れて摺り上げる摺師の技術の高さも並大抵ではありません。
この絵は海外からも大人気で、約5000枚から8000枚摺られたのではないかと言われていますが、現存するのは世界でたった100枚程となっているようです。
所蔵している美術館によって波の色や雲の形などが微妙に違っているようです。
まあ~それはそうでしょう!
1枚目に摺られたモノと8000枚目に摺られたモノでは絵の具の質の変化や経年劣化は否めません。
初摺り作品は200枚とのことですが、どこの美術館が所蔵しているのかがわかりませんが、ぜひとも調査して一度は初摺り作品を拝見したいものだと楽しみにしています。
この元絵を描くとき「満を持してこの絵を描く!!」と必要もないオマージュ宣言をしてから描き始めました。
私としては生意気にも絵師として北斎に挑む気構えでいたのです。。
なので、hanaさんにも果敢にサーフィンで大波に挑んでもらうという仕上がりなりました。
浮世絵のオマージュは先人の巨匠方へのリスペクトが無いと細部までモチベーションを継続して描き続けることが難しい・・・
それを再認識できる大切な作品となりました。