この女性はアメリカからフランスの銀行家に嫁ぎ、パリの上流社会では有名な人物でした。
まさに”美しい私”が彼女の武器で、英語で「プロ美人」という言葉が彼女から生まれたほど。
画家は彼女が描きたくて懇願したようです。
たくさんの画家から、そういう依頼が来ていた彼女なのですが、他国から来て自分のスキルのみで上流社会へと昇ってきた画家にシンパシーを感じたのか、唯一承諾したのがサージェントだったようです。
しかし・・・サージェントさん。。。嬉しさのあまり、はっちゃけてしまったのか、描き上げた絵画は向かって左側のドレスの肩紐がずり落ちているように見える、若干官能的なモノだったようです。
絵画はサロンに提出されましたが失笑どころか「ふしだらだ!」と大いなる反感を買い、モデルが誰なのか伏せていたはずなのに身バレしており、上流社会の名士である彼女の顔にも泥を塗る形になってしまいました。
上記のように修正して彼女に引き渡そうとしましたが、彼女に受け取り拒否をされてしまいます。
失意のサージェントさん。心の傷が癒えることもなくイギリスに渡り生涯をそこで過ごしました。
メトロポリタン美術館にこの絵画を売却する時に「これは私の傑作だ!」と秘めた熱い想いを声にだしたとのことです。