ヒューマン☆マニア

マダムX

ニューヨークのメトロポリタン美術館に私の大好きな絵があります。

ジョン.シンガー.サージェントの「マダムXの肖像」

美しい女性の絵画ですよね。画家がこの女性に好意を寄せているのがひしひしと伝わってきます。

この絵が完成するまでのヒストリーが面白くてヒューマン・マニアとしては興味が尽きません。

この女性はアメリカからフランスの銀行家に嫁ぎ、パリの上流社会では有名な人物でした。

まさに”美しい私”が彼女の武器で、英語で「プロ美人」という言葉が彼女から生まれたほど。

画家は彼女が描きたくて懇願したようです。

たくさんの画家から、そういう依頼が来ていた彼女なのですが、他国から来て自分のスキルのみで上流社会へと昇ってきた画家にシンパシーを感じたのか、唯一承諾したのがサージェントだったようです。

しかし・・・サージェントさん。。。嬉しさのあまり、はっちゃけてしまったのか、描き上げた絵画は向かって左側のドレスの肩紐がずり落ちているように見える、若干官能的なモノだったようです。

絵画はサロンに提出されましたが失笑どころか「ふしだらだ!」と大いなる反感を買い、モデルが誰なのか伏せていたはずなのに身バレしており、上流社会の名士である彼女の顔にも泥を塗る形になってしまいました。

上記のように修正して彼女に引き渡そうとしましたが、彼女に受け取り拒否をされてしまいます。

失意のサージェントさん。心の傷が癒えることもなくイギリスに渡り生涯をそこで過ごしました。

メトロポリタン美術館にこの絵画を売却する時に「これは私の傑作だ!」と秘めた熱い想いを声にだしたとのことです。

ええ~~。おこがましくも、絵師である私。勝手に修正返しなど行ってみました。

本当に申し訳ないが、私は肩紐が落ちている絵の方が素敵だと思う。

蝋人形か・・・彫刻か・・・まったく息吹が感じられない静物画が、肩紐の位置一つで人物画に戻ったような気がします。

これも憶測に過ぎないのですが、サロンで批判された背景には、作品とは全く関係ない妬み嫉みの感情が渦巻いているように感じるのは私だけでは無いと思います。

当時もたくさん描かれてたであろう裸婦画が芸術で、肩紐一本がずり落ちているだけの絵画が破廉恥だという基準がよくわかりません。

モノの評価は、その時に関わった人の感情や空気感で大きく変わるんだと、妙に納得してしまいますね。

この絵画は、描く人、描かれる人、取り巻く人が織りなし創り上げた名画だと思います。

つくづく!人って面白い!

関連記事

  1. ヒューマン☆マニア

    パンデミックと新時代 ブリューゲル「死の勝利」

    新時代開化の背景に疫病あり冒頭の写真は昨年の初夏に撮影した鳥取砂丘です…

  2. ヒューマン☆マニア

    介護とRPA COBRA/アーマロイドレディ

    Robotic Process Automation私、対人援助職従事…

  3. ヒューマン☆マニア

    訪問販売と ブリューゲル叛逆天使の墜落

    高齢者の消費トラブル罪を犯した高齢者支援の事例検討に参加してき…

  4. ヒューマン☆マニア

    孤立と異質 フリードリヒ「孤独な木」

    他と異なることは罪?アイキャッチの画像は二年前の秋に鳥取城跡のお堀で一…

  5. ヒューマン☆マニア

    オキュパイド・ジャパン 藤田嗣治「アッツ島玉砕」

    敗戦を全力で受け止めた時代鳥取県立博物館にて開催中の昭和館巡回特別企画…

  6. ヒューマン☆マニア

    パラレルキャリア ルーベンス「ヤヌス神殿」

    フル稼働の名刺を二枚持つ対人援助職の仕事28年 創作活動21年。ふと気…

  1. hanaと浮世絵

    歌川広重 真崎辺り水神の森内川関屋の里を見る図
  2. 未分類

    ブログはじめました。
  3. 未分類

    朝夕めっきり・・
  4. 未分類

    負けるな!ほっこり奥様!
  5. 未分類

    季節移る
PAGE TOP