hanaと浮世絵

葛飾応為 朝顔美人図

「朝顔涼み」

どこか悲しげな面影で朝顔を見つめる女性。

華やかな遊郭の姐さんたちを描いた他の美人図と比べ、絣の着物をまとった庶民的な印象です。

そして、この絵には落款がありません。創作意図を裏付ける俳句や歌の記載もありません。

女性が持っている団扇の辰の文字で葛飾応為の作品ではないかと言われている錦絵です。

実は、この朝顔美人図と同じ構図の絵がロサンゼルス美術館に所蔵されています。

こちらの絵には落款も思想である歌の記載もありますね。

なので、最初の絵は練習用に描かれたものではないかとの説です。

この絵は応為が婚家で生活している頃に描かれたようですが、絵師である夫に帰属しているであろう時期なのに、夫に関する記載が一切見られません。

それどころか署名は「北斎娘」「辰女」となっています。辰の字は、その当時に父北斎が北斎辰政と名乗っていたので一文字をあやかったのだろうと言われています。

歌の内容も「朝顔の花一時」と「盛んな物事ほど衰えやすくてはかない」と婚家での生活を揶揄したと取れる内容です。

応為にとって夫は、絵師としても男としても到底尊敬できる存在ではなかったのかもしれないと勘ぐってしまいます。

私は練習用に描かれたと言われる絵の方に魅力を感じます。しかし、モノ哀しさが伝わるのでhanaさんにピンクの絣を着てもらい、絣同士の双子コーデで朝顔涼み中という、ほのぼのした錦絵に仕上げてみました。

応為の意を汲んで団扇の辰の字はそのまま残し、hanaさんの団扇には福の字を入れました。

それにしても葛飾応為が江戸の抑圧された時代であっても、しっかり自己主張できる女性であって良かったと思います。従順な女性であったら、この溢れんばかりの才能はきっと抑え潰されている。。。

令和の世に応為の絵が観られる幸せをかみしめる。そんな感謝を込めた錦絵です。

 

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