必需品から装飾品へ
13~14世紀に建てられていたゴシック形式の建物は、屋根が急勾配のモノが多く、屋根つたいに激しく流れ落ちる雨水から、しっくい壁を守るために、ガーゴイルが必需品だったのです。
現在は歴史的な建物の殆どに、現代の建材や建築様式にて改修がなされているために、雨どいとして機能しているガーゴイルは少なくなっています。
残念で心が痛むのですが、火事で焼失したパリのノートルダム大聖堂に多数鎮座している彫刻はガーゴイルとして有名でした。
しかし、その全てが雨どいの機能を持ち合わせているかどうかは、はっきりわかりません。
ノートラダム大聖堂のガーゴイルと言えば、冒頭の怪物が代名詞のように言われていますが、ガーゴイルの用を足しておらず、「グロテスク」と呼ばれています。
ただ、実際に雨水を吐き出している現実的な機能は成していないものの、大聖堂から罪を外に吐き出しているという状況からガーゴイルであるとの指摘をする芸術家もいます。