文化菓子

因幡の白うさぎ

鳥取のまちに半世紀の長い時をかけて愛され続けているお菓子があります。

寿製菓 因幡の白うさぎ

兎の形と赤い瞳が愛らしい白あんの美味しいお饅頭です。

誕生は昭和43年の高度成長期の真っ只中

価値観が目まぐるしく変化していた時の流れの中で、50年以上も人々に愛され続けているのには理由がありました。

 

時代と共に変化する

私は子供の頃から、どちらかと言うと和菓子が好物で、ビジュアルの可愛さもあり、因幡の白うさぎ饅頭が大好きです。

自宅でのおやつ用なのですが、駅やデパートのお土産売り場に出向いて買い求めていました。

今はスーパーやコンビニでも簡易包装のモノが購入できるようになっているので嬉しい限りです。

子供の頃から食しているのでわかることなのですが

このお饅頭は変化し続けています。

私の記憶の先端にあるのは、兎の形をした手のひらサイズのお饅頭で変わらないのですが、赤い瞳はついていませんでした。

工場見学に来た小学生からの「目があったら可愛い」の意見を取り入れ、赤大根から抽出した原料で赤目が描き込まれました。

中の白あんも、ホクホクした素朴な味わいから、バターをふんだんに使用した洋菓子を彷彿するようなしっとりした卵餡に変化しています。

半世紀の長きに渡り支持されているのは、移り行く時代の変化や人々の嗜好を研究した企業の弛まない努力が実を結んだ結果であり

美味しいお菓子を届け続けてくれていることには感謝しかありません。

ところ変われば・・・

お饅頭のモチーフとなっているのは、出雲神話 因幡の白兎 ですね。

オキの島から本土へ渡ろうとした白うさぎ。

ワニ(サメ)をだまし、ようやく渡り終えようとした時「おまえはだまされたのだ。」と口をすべらしてしまったからさぁ大変。

最後にいたワニに毛皮をすべてはぎ取られてしまいました。

そこへ通りかかった大国主命(おおくにぬしのみこと)が、泣いているうさぎに、「真水でからだを洗い、ガマの穂のうえに転びなさい」と教えると、白うさぎはとても喜び「あなたこそ、八上姫(ヤカミヒメ)と結婚することができるでしょう」と言いました。

鳥取県のサイトから抜粋しましたが、お話自体を簡素化すると全様はこのような感じです。

出雲神話の本編はもっと長編で、大国主命VS兄神による「半沢直樹」ばりのサクセスバトルが繰り広げられたり、八上姫とのラブロマンスがあり、助けられた白兎が神となる成長ヒストリーが盛り込まれたりと、中々読みごたえがあります。

神話が民話となり、童話となる中で、細かなストーリーは読む対象に合わせて変化していきました。

翻訳されて海外でも出版されましたが・・・・サメがワニへと変化している絵本もありますね。

私の想像ですが、日本神話に登場する海の怪獣「和邇(ワニ)」がストレートに翻訳されてしまったのではないかと思います。

ところが変われば海にワニがいる違和感さえ払しょくされるということです。

文化の継承

文化を継承していくことと時代に合わせた変化ということは密接な関係にあると思います。

古き良きものを後世に残していくということは、変えてはいけないものと変えなくてはいけないものの折り合いをキチンと付けることがキーワードとなっていくでしょう。

小さい兎のお饅頭たちが、そのあたりの絶妙なバランスを伝えてくれているような気がします。

器:花輪窯 大皿 小皿

撮影場所:galleryshopSORA

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