今町2丁目通り
JR鳥取駅北口を出て鳥取大丸を抜け民藝館通りの交差点を西方向に進むと面白いエリアに行きつきます。
国道と連結する大きな主要道路が交差し、近隣には新築移転した鳥取市役所本庁舎、鳥取大丸、イオン鳥取店、スターバックス、と公共施設やメジャーな商業施設が建ち並び人の少ない鳥取のまちには珍しく人も車も往来の多い賑やかなエリアです。
ここに私が長い時間見届け続けている建物があります。
専門店のシャッターが閉まる
10代の頃よりまち歩きを秘密の趣味としていた私は、結構な頻度でこの今町2丁目エリアを訪れていました。
なぜなら、ここには貸本屋が2軒、貸しレコード店、ファンシー雑貨のセレクトショップ、など
お小遣いが少ないJKには、ありがたい商店が連なっていたからです。
その中でも、建物の佇まいが可愛らしく、店内がいつもキラキラと明るい、まちの電気屋さんの存在は、言い知れぬ安心感を持って、いつも眺めていました。
時は流れ･･･時代にそぐわなくなった専門店が次々と閉店していき、まちの電気屋さんのシャッターが閉まった時にはさすがに言いようのないさみしさを感じたのでした。
違う風と再び射した光
またまた時は流れ･･･車や人の往来は多いのに、どこか閑散とした寂しいエリアの様子はそのままで、長い時間が過ぎていったように思います。
それが長らく空き家であった商店のビルにゲストハウスとパブが開店したことを期に、この通りに今までと違う風が流れていると感じ始めました。
そして色々なご縁で私自身もこのエリアで事業所を構えることとなり、エリアの変化を身近に感じるようになった時
ついに長年閉まっていたまちの電気屋さんのシャッターが開き、再び明るい光が差し込む光景が見られるようになったのです。
人が集まる場所に
このビルをリノベーションし運営する方に、記録を撮らせていただくことの了承をいただき、変化する様子を見守らせていただきました。
何が出来上がるのかと問うと「人が集まる場所」との返答があり、ワクワクがと止まりません。
ゆっくりと着実に変化していく建物の様子を見ていて、私は度々心の中である絵画を思い出していたのです。
活きが無いモノに活きたモノは近づかない
アンドリューワイエス Seagull Scarecrow
題名を単純に翻訳すると「かもめの案山子」となるようです。
少々残酷ですが、かもめの亡骸をつるして、かもめを近づけないようにして、作物への被害を食い止めていたのでしょう。
これが案山子の役割を果たしていたのなら、活力の無いモノが存在する所に、活きるための営みを行うものは近づかないということの証明になるのでしょう。
動物の本能として。
人の息吹がもたらす光
工事中のビルは暗くて寒くて薄汚れていました。
ですが、着実に息を吹き返そうとしているのを肌で感じることができるのです。
改修工事で働く人の活気が場の体感温度を上げ、人の出入りが新鮮な風の流れを作り、
建物の再生は、関わる人の活力の再生でもあると思い知ったのでした。
そしてここは、24席の個別スペースを配した大きなシェアオフィスへと生まれ変わりました。
今町2丁目エリアは新しい時代の流れに舵をきっています。
働き方改革 価値観の変換時代
働く人のステータスは東京一等地の高層ビルという時代はもう過ぎてしまったのかもしれません。
休眠していた時間は長くても、時代に即して人から人へと引き継がれていき活き続ける場所。
そんなストーリーを携えたオフィスで働くことがステータス
そんな時代に流れることを思い浮かべると、まちの光も一層明るく感じます。
office24 〒680-0822 鳥取県鳥取市今町2−２１８
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