「龍宝玉」
柄を引立たせるようにゆったりと結んだ帯
幾重にも重ねた着物
豪華絢爛な打掛
独特な立ち姿に高さのある履物
元絵は遊女の最高峰「花魁道中」のいでたちですね。
絵師は「葛飾戴斗(かつしかたいと)」51歳の葛飾北斎です。
生涯において画号の改名30回、引っ越し93回・・・と、まあ奇人ぶりは有名ですね。
落款に”北斎改戴斗筆(ほくさいあらためたいとひつ)”とあるので北斎から戴斗へ改名したての頃の作品なのでしょう。
目も眩むような美人画をいくつも描き上げたのち、北斎漫画で有名なラフなスケッチ画を膨大に描き残しているのが戴斗と名乗っていた時期です。
独自の色艶を表現し美人画を極め、膨大なスケッチ画でありとあらゆるモノを描きつくした50代の北斎は、不朽の名作「富嶽三十六景」を世に送り出した60代へと繋がっていきます。
私は結髪を下した花魁の絵を初めて見ました。
全体的に暗いトーンなのですが、しっかりと色艶が伝わってくるのは、遊女の最高峰に君臨しているのだという、花魁の揺るぎない自信と華やかさからなのでしょう。
北斎が手掛けた美人画の中でも特別な存在だったのかもしれません。
オマージュは打掛から龍を外に出してみました。
幸せを願い、龍とhanaさんには宝玉を持ってもらい、稲妻の打掛がクールでパワーのある錦絵に仕上がったと思います。
自信満々の花魁を現代風にするにあたり、某女優さんをイメージしましたが・・・某女優さんが現在あまりよろしくない状況にいることが残念なところです。