私のアトリエからの…

入れ墨文化 葛飾北斎「八方睨み鳳凰図」

身体加工の美

少しアンダーグラウンドな世界へ・・・

デジタル浮世絵師となり、さまざまな錦絵を鑑賞し、一つの分野にとても関心を深めることとなりました。

入れ墨、所謂「和彫り」といわれる文化です。

対人援助職従事で、立派な彫りを入れている方の入浴のお手伝いをさせて頂いたことも何度かあり、鯉、弁天様、龍、獅子・・・さまざまな絵柄を観てきました。

その方々の人生背景は今日の所は別所に置いといて、私は素直な気持ちで身体に描かれている絵が凛々しく美しいと思ったのでした。

人の身体の上で美しく映える絵柄はどのようなものかと考えながら書籍を観ていると、まさにど真ん中の絵と出会えました。

 

人を見定め讃える霊鳥

葛飾北斎「八方睨み鳳凰」

富嶽三十六景に代表される風景画の熱が少しづつ冷めてきた80代超えた北斎は、浮世絵制作におけるTEAM北斎の中の絵師という立場から少し離れ、肉筆の絵画をいくつも仕上げています。

その中の一つ

信州、岩松院 21畳の天井に施した巨大絵画「八方睨み鳳凰」です。

鳳凰は中国の伝説の霊鳥で、人の性格を見定め、栄誉ある人々や親切な人々を祝福します。

その鳳凰が降り立つ地には大切なものがあるという伝説があり、時には天女に変身し、人々を讃える幸せな鳥です。

人を見極めるとだけあって、美しく優雅な姿に反するようなシャープな眼差しが聡明な印象を受けますね。

絵を観る人々の心理を巧みに刺激する北斎らしい絵画です。

文明との逆行文化

イレズミは世界中で行われている、人類最古の身体加工技法の一つです。

神にまつわる古くからの風習で、身体に何かしらの”標”をつける行為から、刑罰の戒めとして施される場合もありました。

「弱気を助け強気を挫く」侠客の世界の理想像として人々の憧れでもあり、ふんどし一丁で果敢に仕事に挑む火消や飛脚たちは、衣服を身に着けない職業柄の礼儀として身体中に美しい彫りモノを入れて人前に立つことが江戸の”粋”でもありました。

明治になり文明開化の音が聞こえてきた時、裸にイレズミで闊歩する人々がいる”日本の風俗”と旅行記に綴られたことから、欧米の文明に逆行している悪しき文化だと禁止令がひかれ、違反した場合は逮捕収監されるという事態になり、イレズミ文化は完全に途絶えてしまいました。

アートとして開花した和彫り

欧米からの評価を気にしてアンダーグラウンドな場所へと追いやられたイレズミ文化なのですが、職人である彫師たちを新しい表現者として開花させたのは、なんと欧米の人々だったのです。

身体に施すアートとして評価されていることと、根強く人気があるのは、日本古来の図案である、龍や獅子などを施した「和彫り」だというのは、何とも面白い話です。

私は痛いことが大嫌いなヘタレであります。自分の身体にイレズミを入れるなどは生涯ありえません。

ただ、デジタル絵師として和彫りの図案はパターンアートとして積極的に取り入れようと思います。

だって・・・美しいデザインに罪はありませんものね!

 

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