まち*ごと

まちの速度 ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」

住みたい田舎ランキング

宝島社が発刊している「田舎暮らしの本」で、全国の市町村からアンケート調査を実施し、毎年「住みたい田舎」がランキング形式で発表されています。

鳥取市は2019年度総合部門第一位にラインキングされています。

若者、子育て世代からの評価が高く、新設された「自然の恵み」部門でも一位を獲得していました。

2020年度は総合部門第二位でしたが、8年連続トップ10入りというのは胸を張れるコトなのではないのかと思います。

穏やかな人々と豊かな自然、のんびりとした田舎というイメージを持たれているまちだと思われますが、

実は過酷な試練を幾度か乗り越えた芯の強いまちであったりもするのです。

まちの殆どが焼き尽くされた

1952年4月15:00 鳥取大火

市営温泉施設近郊から出火した炎は翌日にかけて燃え続け、市街地160ヘクタールを焼き尽くしました。

まちは焼け野原の壊滅状態。

この絶望的な状況のなかに残された”ひと”という宝物が明日への希望へと強い思いで立ち上がったのです。

1962年 山陰本線鳥取駅

10年という月日が長かったのか短かったのかは検討が尽きませんが・・・

まちは着実に再生を果たし、当時の方々の懸命の努力の結果だと恭敬の思いで一杯です。

あれから60年近く経つ現在

まちの内外の方々から「鳥取の人はのんびりし過ぎ」「やる気が薄い」・・・

などと、ネガティブな発言もチラホラ聞かれるようになりました。

そんな時に私は世界一有名な美女の絵画を心に思い浮かべるのです。

ミステリアスな微笑

レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」

クライアントから「妻の肖像画を描いてほしい」との依頼を受けダ・ヴィンチが着手した絵画で

「世界でもっとも知られた、もっとも見られた、もっとも書かれた、もっとも歌われた、もっともパロディ作品が作られた美術作品」と言われています。

パリのルーブル美術館で、よほど日本人からのアテンド依頼が多いのか、白い紙に殴り書きで【モナリザ→】というような手書きの案内が貼り付けてあったコトに苦笑いした思い出があります。

何故にここまで世界中の人々を魅了し続けているのかを考えた時に、とある説に深い興味をそそられました。

この絵画を着手した時にダ・ヴィンチは何らかの体調の不具合で、利き手である左手が使え無くなっており、右手で描いていたと言われています。

その上、ダ・ヴィンチは制作途中に倒れてしまい二度と絵筆を握ることが無かったとのこと。

そうです。。この「モナ・リザ」は未完の作品のまま世に出回ってしまったのです。

ダ・ヴィンチのタッチであるけれど・・・逆手で描かれているので微妙に固有のモノでは無いような感覚

未完の作品なので、追加で新しく何かを想像するのに適した余白

この二つの要因が交わって、観る人々それぞれの「モナ・リザ」が創造されていったのでは無いかと推測しています。

ある意味、幸せな絵画だと思います。

世界中の様々な人々が、それぞれの感性で魂を吹き込み絵画を完成させているのですから。

プライベートスタイルの到来

大火の復興にあたっては、各分野の専門家や指導者の先導により、各々がやるべきことをしっかりと行ってきた経緯が現在に至っているのだと思っています。

特に交通やライフラインの整備にはスピード感を持って取り組まれていたと考えられます。

そして現在

復興とは違う”まちの活気を取り戻す”というまちの再生に関して、はたして速度というものがどれ程重視されるべき事柄なのでしょうか・・・。

余白だらけの未完の芸術作品に個別の感性で魂を吹き込むことの出来るこの時代

それぞれの思考、それぞれの嗜好、それぞれのスタイルで、まちの余白を「楽しい!」で埋める。

速度もそれぞれ。

”のんびり”したまちには”ゆっくり”と、でも着実に変化できる余白が存在します。

それは先人が残してくれた贈り物だと捉えれることが出来れば「住みたい田舎」は「住んで良かった田舎」へと変化していけるのだと思います。

のんびりとそれぞれのスタイルで。

 

 

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