理想は太陽で輝く風景にあった
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー「イタリア風景 日の出」
コローはフランス出身の画家ですが、生涯の大半をイタリアで過ごしています。
芸術の都パリ
画家や画商たちが集うサロンやアカデミーの格式は、才能あふれるアーティストたちを束縛という形で抑制し続けていたのかもしれません。
イタリアを訪れたコローは、開放感から自身の理想を見出し、さらに才能を開花成熟させていくのでした。
絵画の左側は穏やかに湖に立つ牛と背景は近代的都市の風景
絵画の右側は古代ローマ遺跡の前、明るい光の中で歌と踊りを楽しむ人
それを分つように真ん中に巨木が立っています。
古代と現代の文化が巨木と人々の歌の調和によって共存するユートピア的な風景
コローの理想が余すことなく盛り込まれた、うっとりする美しい絵画です。